富士ヒル本番 (TOMI)

本番前日。11時頃に富士山に着く。
気温は15℃だった。
ここまで暑い中ずっと走っていたのですごく寒く感じる。

ウェアはいろんなケースを考えて持ってきていたので試しに使用してみる。
本番で使う可能性が最も高かったサンボルトの長袖ワンピースを着て、富士の1号目まで登った。

思っていたよりずっと寒い。
パワーはほとんど出さないで登っているのに脚がぎゅっと締め付けられて攣りそうな感覚。
下りは1号目からなのに下り終える頃にはガクガク震えるほどだった。

雨だったので、すぐにバイクと身体を拭いて、宿に向かう。
ご飯をもりもり食べて、注油やバイクのセッティングを終えてから9時には寝た。

4時に起きて朝ご飯を食べ、会場に向かう。
結局ウェアは1番慣れていたビオレーサーにして、手脚にウォーマーをつけて走ることにした。


会場に着くと、いつもと全く違う閑散とした雰囲気に少しショックだった。
人はまばらで待機列などもほとんどなくパラパラと出走している。
ただ感染対策がしっかりしていると言えばそうだと思う。
こんな状況でイベントやレースを開催してくれる方々には本当に感謝しかない。

YOPIさんと握手してからスタート。
スタート自体がバラバラなので、集団などもなかった。

序盤は自分の中で少しキツいくらいで走った。
ただその強度は、シルバー達成にはギリギリの強度だった。
このまま最後まで維持できるかできないかで目標をクリアできるかできないかが決まってしまう。

そのまま40分は保つことができた。
ただ酸素が薄くなるにつれ、呼吸が苦しくなり、心拍数が上がった。

「あぁキツい。今年はもういいか。」

そんなふうに思う弱い自分が出てきた。

でもたくさんの人がシルバーを取ることを期待してくれていて、
自分のことのように楽しみにしてくれている。
そう思うと弱い自分を押さえ込むことができた。

なんとか維持する。
とにかく保つことを意識して走る。

4号目。
ここで少しでも上げられれば間に合う。
少しペースアップしたタイミングで急に吐き気。
ずっと高い心拍数や強度を維持していると吐き気が出る事は
ローラーやクリテリウムなどのレースでも経験していた。
それがこのタイミングで出てしまった。

少しペースを抑えて休み、
最後の平坦に踏み切ることにした。

平坦前の激坂を吐き気を抑えながらノロノロと登り、平坦に備えた。

後はただ回すだけ。
40km/h近くで走る方の後ろにくっついて、
そのまま最後まで粘った。

平坦を終え、最後の駐車場前の坂。
もう脚は空っぽだった。
ちゃんと脚は使い切っていた。

結果は1時間17分。
目標にあと2〜3分届きませんでした。
昨年の1時間23分から約6分の短縮でした。

今回はたくさんの人にお世話になっていました。
youtubeやTwitterを通して応援してくれている方々。
竹谷さん。
サイコンとパワメ、ローラーを貸してくれたガーミンの方々。
松尾さん。
そして練習や遠征する機会を作るために休ませてくれた職場の方。

終わった時にお世話になった方のことが浮かんで、
「応援してくれていたのに申し訳ない」と思いました。
昨年のYOPIの気持ちがこの時初めてわかりました。

申し訳ない。
そう思う気持ちはあります。
僕は弱かった。
ただ後悔は全くありません。
これ以上が浮かばないほど自分の中でできる努力をしました。
練習、栄養管理、減量。
自分の得た知識と経験の中で試行錯誤して、
苦しんだり、成長を楽しんだり、もがき切った上での結果でした。
今年のベストがこのタイムだったのだと思います。

この気持ちと結果を来年の自分が見た時に、
「いやこうすればいけたよ。」と思うかもしれませんし、
そうなっていたいと思いますが
少なくともいま自分ができるベストは尽くすことができました。
だから悔いはありません。
ただ応援してくれていた人に申し訳ない気持ちが大きいです。

この結果に対して応援してくれた方に何ができるわけではないですが、
もっともっと速くなって、やればできる事を来年こそ示したいと思います。

本当に応援ありがとうございました!!

そして最後に、
こうして富士ヒルに集中できる機会を作ってくれて、
かつ一緒に練習してくれた妻に感謝します。
本当にYOPIさんがいなければこのベストタイムは出せなかったと思います。
ありがとうございました!

コメント

  1. モヒカン兄貴 より:

    TOMIさんお疲れさまでした!

    また強くなれる!まだまだ強くなれる!そう思いますよ~。
    申し訳ないなんて思わないで胸を張ってベストを尽くしましたって言うたってください!

    • reku1616 より:

      お疲れ様です!
      私も富士ヒルに出走しましたが、僅かに75分切れずでした。自分では努力したつもりでしたが、あくまで「つもり」だったのだと身に染みて、悔しく思います。
      TOMIさん、まだ終わりではないですよね!来年は胸張って、シルバーリング受け取りましょう!

  2. がーし より:

    皆の応援が重責になってるような文言…
    Youtubeでいつも拝見させてもらってますが、同じぐらいの強さの方(少し失礼で申し訳ありません)が速くなる為に試行錯誤してる感じに共感し、ファンになりました。
    今回求めてた結果では無かったとしても、十分に過程を楽しませてもらったので別に謝る必要は無いと思います。
    これからも応援してます。お疲れ様でした。
    (ちなみに僕もシルバー達成出来ませんでした。タイムはtomiさんの±2mぐらいです。)

  3. swordfish07 より:

    tom’s cyclingが好きなのは、昨日の自分を一歩でも半歩でも超えようと、ご夫婦でしんどく楽しくチャレンジするところです。今回も素晴らしい挑戦だったと思います。次回も楽しみにしています。

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